同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
由美しか知らない筈の私の現住所に届いた由美の文字ではない同窓会の案内ハガキ。

先程から回収している坂本直筆であろうメモ。

バッグの中からハガキを取り出して見比べてみると、それは坂本の筆跡にそっくりだ。
見れば見るほど、同じ人が書いたものだとしか思えないレベルだった。

……坂本は一体、私に何がしたいの?

色々な思いが頭の中に混在していて、考えが上手くまとまらない。

「おーい西田、早く来いよ」

階上から私を呼ぶ坂本の声が響き、我にかえった。

とりあえず今は何も考えず、坂本が仕込んだゲームに、メモの回収に集中しよう。

「ごめん、今行く」

私は階段を一歩ずつ駆け上がった。

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