同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
あれは遡る事ちょうど十年前。
時期も今と同じ頃の事だった。

中学三年の三学期。
高校受験を控えて、みんなピリピリとした空気を感じながらも毎日を過ごしていた。

当時、私の第一希望の高校は、自宅近所にある県立高校だった。
ここの情報処理科は人気も高く、パソコンや他の資格も在学中に取得出来る事から志願倍数も高く、偏差値も私はギリギリだった事もあり、三年になってからは塾にも通っていた。

公立高校の入試日は県下一斉同一日であり、公立の併願は出来ないから、必然的に私立高校との併願をしなければならない。

私立高校の入試日は、県立高校の試験よりも早い日程で、合格発表も県立の受験日より早いので、私立高校が本命の友達は、早々に受験地獄から解放される。

併願志望を出していた私立高校は、隣町にある女子高だ。
ここにも情報処理科があり、希望している県立高校よりも偏差値は劣るものの、就職等将来的な事を考えると魅力的な物だった。

一月下旬に私立高校の入学試験があり、二月中旬には合格発表があり、私は無事に合格をこの手にもぎ取った。

県立高校の結果次第では入学金も無駄になるけれど、納めなければ入学とみなされないと聞き、 両親に頭を下げて入学金を払って貰った。

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