同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
幸いにも二日の夜から三日にかけて、浅田は矢野の実家で過ごしてそこから同窓会に参加すると言う情報を仕入れる事が出来た。

さて、西田にどうやって警戒を解いて貰いながら告白に持ち込めばいいのだろう。

いきなり二人きりでって、きっとキツいだろうし……。

でも意識して貰わないと話は進まない。

考えていると、ふと思い出した。

あの日、俺が西田とやりたかった事を再現しよう。

西田との思い出のある校内の色んな場所にメモを張り巡らせて、一緒に回ろう。

俺は早速メモを作った。

でもそれは、下手したら全教室分になりそうで、いい加減にしろと怒られてしまうかも知れない。

それに、この天気。
動き回るにしても冷気が半端じゃないのは安易に想像出来る。
女性に冷えは禁物だ。西田がどんな服装で来るかわからないし、寒い思いをさせない様にしなければ。

俺はメモの枚数を五枚に絞った。

裏に、『だいすきだ』と一枚に一文字ずつ書こうかと思ったけれど、小細工するのは止めておく事にした。

どうせあの頃のブログのURLを渡すと言う赤っ恥を晒すのだ。
それで十分だ。

どうか、今日こそは西田と向かい合う事が出来ます様に……。




ー終ー
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