同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
 スマホの向こうにいる坂本の事を考えながら言葉を発した。もしかしたらまだ学校に残っているのなら、他の先生達も残業されているのかも知れないし、部活の合間だったら生徒が側にいるかも知れない。どっちにせよ誰かが側にいるのなら迂闊な発言は出来ない。それなりに私も発言には気を遣わなければ。

 私の心配をよそに、坂本は会話を続ける。

『今何処に居るの?』

「ちょうど事務所を出たところなの。一度家に帰って着替えようかと思って」

『そうなんだ。俺も今学校を出たところなんだ。俺も一回家に帰って車取りに行くから、アパートに迎えに行くよ。
 今からなら……、二十分位で準備出来そう?』

 私は腕時計を見て時間を確認する。時刻は現在十九時十分を指していた。帰宅して着替えたら、十九時半に何とか間に合いそうだ。

「うん、多分大丈夫だと思う。坂本は大丈夫なの?」

 中学校への通勤は徒歩だと聞いていたので、帰宅してからの時間等が気になるところだ。でも自分から時間指定をしているのだからきっと坂本的には余裕なのだろう。

『うん、俺は余裕。着替えるの? って、西田って通勤は制服?』
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