同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
『車で迎えに行くから時間とか気にしなくていいよ。俺としては西田と一緒に居る時間が少しでも長くなるのは大歓迎だし』

 何気に嬉しい言葉を発してくれるので、スマホ越しに照れてしまう。けれどこれは坂本には内緒だ。

「出来るだけ待たせない様に頑張る。だから坂本も安全運転で来てね」

『うん、ありがとう。そうしたらまた後で』

「うん、また後でね」

 通話を終わらせると私は歩幅を大きくして帰路を急いだ。
 職場へは健康の事も考えて徒歩で通勤している。自転車でもいいけれど、自転車に頼ってしまうと朝ギリギリの時間まで寝てしまっているから自分への戒めの意味を込めて徒歩通勤を貫いている。
 自転車を持っていない訳ではない。食材を買いに行く時は荷物が増えるからむしろ必須アイテムだ。でも通勤時は自分を甘やかさない為に敢えて徒歩に拘っている。
 いつもより歩幅も大きく歩くペースも早いから、アパートには思っていたよりも早く到着した。

 私は朝のうちに考えていたコーディネートの服に着替えると、用意していたチョコレートの包みをバッグの側に置いた。今回のチョコレートは市販のチョコレートを選んだ。
< 88 / 119 >

この作品をシェア

pagetop