···絢


絢・・・・


久しぶりに・・
本当に久しぶりに・・
姪から電話をもらった。

姪の沙織は、突然の電話と
長くご無沙汰にしていたことを
詫びてから
私の元に行ってもよいか?
と訊ねた。

簡単に経緯は聞いた。

両親には、何も話さずに
渡米をしたいと言う。

沙織は、昔からきちんとした子だ
そんな沙織がお願いしてきたの
だから、私は迷うことなく
直ぐに来るように言った。

とりあえずは、マンションも
そのままにするしかないと
言って・・・
その男性が、沙織のマンションの
鍵を持っていることには
不満があり鍵を変えるように
話した。

沙織がアメリカに到着した日に
迎えに行くと・・・
我が姪ながら
沙織は綺麗だ。

年を取る毎に美しくなる。
久しぶりの再会にハグをして
沙織と一緒に私の家へと帰った。

私は、主人を亡くしてから
アメリカにきた。
日本にいると主人を思い出すから
元々、日本で教師をしていたので
その伝で今の学校に
勤めている。
学校長も良い人で
とても可愛がってもらっていた。

沙織と夕食を取りながら
詳しく話を聞いた。
沙織にも疑問点はあるようだが
どのみちそんな人では
沙織は任せられない。
いくら、父親が素晴らしくても
お話にならない。
姉には、悪いが
今は、沙織が一日も早く
立ち直るように
私は見守るしかない。

幸い、私が勤める学校で
沙織を手伝いさせていたら
学校長が、沙織に良い仕事を
紹介してくれた。

元から、英語や中国語等は
話せる子だったから
今の職場のボスにも
重宝がられているようだ。
こちらでの生活も慣れて
一人で買い物にでたり
自分の部屋の模様変えをしているようだ。

アメリカに着て一年がたつ時に
日本のマンションを解約しなさいと
話して、両親にもそろそろ
きちんと説明するように言った。
姉や義兄さんにとって
沙織は一人娘だ。

気にかけていることは
わかりきっていたから・・・
こちらに着て、私と暮らしている事は
沙織が半年後には連絡をして
沙織が話せるようになるまで
待って欲しいと、伝えた。

姉からは、その男性から
沙織が帰ってないかと
連絡があったと。
付き合いだした時に
きちんと挨拶をするように
彼の父親が言ったみたいで
姉達も彼を知っているようだった。

今回、沙織は社長と同行して
日本に行くと言っていた。
何もなく戻って来て欲しい。
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