···諦めきれない


ボスは、自分の部屋に入る時
私に『大丈夫か?』
と、心配顔で訊ねるから
ボスの顔をしっかり見て
『はい、ありがとうございます。』
と、言うと
笑いながら
『メイソンいるし、心配ないか。』
と、言って部屋に入っていった。

私とメイソンは、同じ部屋だ。

アメリカを発つ前にボスに社用だからと
訴えたが・・
『僕じゃないし、予約したのは
   こいつだ。』
と、メイソンを指して笑っていた。

メイソンに抗議の目を向けるが
素知らぬ顔をされて
『そんな目でみたら、
キスしたくなるよ。』
と、耳元でささやかれ
こちらの方が真っ赤になった。

自分達の部屋に入りドアを閉めると
メイソンに直ぐに抱きしめられて
すかさず、唇を塞がれた。
「ウ‥‥フゥン‥‥‥」
『サオ‥‥リ‥‥』
強く抱きしめるメイソンに
心配させたのが良くわかり
メイソンの首に腕を回し
より一層密着する

メイソンは、軽々と私を抱き上げで
浴室へ
ドレスのファスナーを下げると
ストンとドレスが落ちる
キスをしながら
脱がしていくメイソンに
器用なんだから・・・と
少しの嫉妬と
少しの呆れがまじる

髪のセットもきれいにとかれ
漆黒の髪は、少しだけウェーブが
ついてしまった。
本来は、ストレートで
腰近くまである。

本当は、切りたいのだが
彼が許してくれない

そう、彼こと
メイソン・ノア  35才
190センチの身長
手足も長く
ブロンドの髪は短髪
ブルーの瞳は切れ長で
高い鼻、薄い唇
堀が深く、誰しもが振り替えるほど。

ボスも大概イケメンだが
メイソンもひけをとらない。

だから、二人がいると
自然に女性に囲まれる。

私だって、日本の女性にしては
身長も低いとは思わないが
こちらでは、小さいのかな
167センチの身長
メイソンとは、20センチから違うけど。

顔は、普通かと・・・

メイソンは、私の何が気に入っていると
言えば、この髪だ。

いつも、触っている。

会社では、触らせないように
軽くアップにして
髪飾りで止めているが・・
そのままだと、髪をとり
キスしたり、クルクル回して
遊んだり、撫でたり・・と
忙しい。

叔母の学校の校長先生から
アンソニーの会社を紹介して頂き
挨拶に伺った日の帰りに
メイソンに声をかけられた。

連絡先を教えて欲しい・・・と
彼は、アンソニーの秘書の方だから
と、思い教えて帰宅した。

翌日から
メイソンの朝の挨拶のLINEから
夜は、おやすみのLINEが
届くようになった。

私は、普通に挨拶を返していただけだが。

社用の集まりや飲み会以外は
メイソンと会うこともなく
ただ、挨拶だけのやり取りが
一年続いた。
面白い人だなぁと思ったぐらい。

二年目も変わりなかった。

私も仕事をおぼえる事が
大変だったから

二年目のクリスマスイブに
彼から食事に誘われた。

断ろうかと思ったが
叔母もデートだと言っていたから
一人でいるのもと思い
一緒に食事をした。

メイソンは、口数が少ない人だが
この日は、良く話してくれて
楽しい時間を過ごす事ができた。

食事の後は、
イルミネーションを二人で見た。
とっても、綺麗で
私は、目を離すことができなかった。

そんな、私を私が飽きるまで
そっとしてくれたメイソン
どのくらいの時間、そうしていたのか
『ごめんなさい。』と、言うと
『もう、いいの?』と、メイソン。
『うん、ありがとう。』
と、言った私にメイソンは、
『サオリの心の中に、
俺は入れて貰えないだろうか?』
と、言った。

この二年近く彼を見てきて
彼の人柄も良くわかっていたが
私は、恋をする事が
もう、怖くて
恋をしたいとも
恋をしようとも、思えなかった。

だから、私は、
全てをメイソンに話して、
だから、もう怖くて
できないと伝えた。

メイソンは、酷く悲しい顔をしたが
『俺は、あきらめない。
俺は、サオリの前の男とは違う
それに、そういう女性もいない。
身元を調べてもらってもよい。
まぁ、恋人がいたのも
20代までだ。
仕事も忙しかったし
仕事が楽しかったから。

それに、欲をはくだけの女性もいない。
愛情もなく、女性を抱くなんて
まっぴらだ。

俺は、サオリを見た瞬間に恋に落ちた。
その時からずっとサオリを
愛し続けている。
これからは、ストレートに行くよ。
嫌なら、猛烈に俺を嫌ってくれ。
じゃないと、俺は諦めきない。』
と、言われた。
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