···謝罪


メイソンは、私が交際を
断った理由を聞いて
元彼、大我 和彰を調べた。

大我 和彰は、
部類の女ったらしだった。

私の他に
銀行にも手をつけている女がいたり
顧客にもいたみたいだ。

そして、同窓会で再会した
元カノである美里さんにも
手を出した。

仕事はできるから出世は
しているが、人間としては
最低な奴だった。

あんなに素晴らしい父親を
持っていながらと思うが
顔も良し、仕事もできる
ましてや金持ちの息子で
本人が自分自身を
履き違えていたようだ。

美里さんは、ベッドで愛しあった?
後に女遍歴を
自慢げに話す和彰に
失望したようだ。

「それは、それは、
自分の事を自慢げに
女の事をべらべらと
しゃべる和彰に呆れた」
と、言っていた。

「だから、こんな男にプロポーズされようと
している私が可哀想になり
あんな行動をした。」
と、話してくれた。

「詳しく話さなかったのは、
それでも、和彰と結婚したいと
思っているかも
知れないと思い
後は、私が決めたら良いと思った。」
と、言っていた。

「子供もお腹にいるし
一緒になると思っていた。」
と、言う私に美里さんは、
「冗談じゃないわ。
あんなすけこまし。
女の敵よ。
結婚しても、女にだらしないのは
治らないと思うし
そんなギスギス、どろどろの
結婚なんか、勘弁してよ。
赤ちゃんは、産む
だけど、こんな私でも良いと
言ってくれる人と
出会って、愛し、愛された結婚を
したいから。」
と、さっぱりした顔で言われた。

(日本とアメリカでテレビ電話で
会話をした。)

プロポーズする人がいると
わかっていて抱かれた代償は
大きかったのでは
と、思うが。
彼女は、私の心配をしてくれた。


でも、彼女のお陰で
和彰のプロポーズも断る事ができて
今、メイソンと幸せに過ごせている。

私は、彼女に恩返しが
少しでも出来たらと
和彰の父親(専務)に
全てを報告してやった。

お金で片付くものではないが
シングルで子供を育てる事は
大変な事だと思うから。

しばらくしてから
美里さんから
手紙を受け取った。
和彰の父、大我専務から
多額の慰謝料と養育費を
頂いたと。
和彰と結婚してほしいと
言われたが、丁重にお断りをした事も
と、綴られていた。

「私も幸せになりたいので」
と、言うと
専務は、
「本当に申し訳ない。」
と、平謝りして帰って行ったと
そして、もうお会いすることは
ないと思いますが
ありがとうございました。
沙織さんも幸せになって下さい。
と、書かれていた。

「本当に、ありがとうございました。
幸せになります。」
と、独り言を言っていると
後から抱き締められて
『う~んと、幸せになろうね。』
と、メイソン。


          end
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