···出社していない


一方・・メイソンは・・

アンソニーより、秘書を外されてから
数日は、会社に出社していたが
少しすると会社に出社しなくなった。

亜美は、メイソンを気づかいながら
仕事をしていたが
書類の翻訳をする量も多く
通常のメイソンなら
難なく終わるものが
中々、進まない。

それに、自分とメイソンの事で
こんな風になっているとも
知らずにいた。

しばらくすると
メイソンは出社しなくなり
亜美は、倍以上の仕事をこなすのに
精一杯で、メイソンを気にするまでに
いかなくて
終いには、自分も立ち回れなくなり
ボスに泣きついた。

アンソニーは、アンソニーで
秘書を変えてから
大変な思いをしていて
メイソンを気遣う暇はないし
自業自得だと、ほって置いた。

アミから
『メイソンが出社しなくて
仕事が回りません。』
と、泣いて訴えられて
『なぜ、出社してない?!』
『わかりません。
メイソンの仕事までやらなくては
いけなくて、そんなことに
気遣う余裕なくて。』
『いつからだ?』
『えっ、ひと月でしょうか?
それ以上でしょうか。』
と、曖昧で。
『とりあえず、わかった。
カワグチは、今日は帰りなさい。』
と、アミを帰して
新しい秘書に仕事を任せて
『出来るところまでで良いから。』
と、伝えてメイソンの家に急いだ。

くそっ・・苛立つ気持ちを
押さえて、メイソンの家につき
呼び鈴をならすが
メイソンから応答がない。

ドアを引くと開いた
『メイソン!!
メイソン、どこだ?!』
と、叫びながら
一階から見て回ると

二階の寝室のベッドに
メイソンは寝ていた。

まるで、息をしていないように
見えて・・・
メイソンの肩を揺らすと
少しだけ目を開けたが
すぐに閉じる
目を開ける力もないようだ。

アンソニーは、救急車を呼びながら
メイソンに声をかける
かなり揺らすと
かろうじて何処かが動くが
持続をしない

救急車が到着して
メイソンは病院に運ばれた。

処置室に運ばれるメイソンを
ただ、見つめるしかなかった。

あんなやつれて憔悴している
あいつを見たのは、初めてだ
15年以上、共にいて・・・

メイソンは、極度の脱水状態で
いつから食べていないのか
胃の中は、空っぽで
栄養失調をお越し
熱も高く、肺炎になっていた。

後数日?数時間でも、遅ければ
命はなかったと説明を受けた。
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