···辞めて貰って


沙織がアメリカから去って
三ヶ月を過ぎた時

メイソンは、仕事に復帰した。
体も元に戻ったようだ。

だが、アンソニーは
メイソンとアミを許す事が
できなかった。

会社の社長ともあろう自分が
懐が小さくて、どうする?
と、思うが・・・
沙織を、思うと
たまらない気持ちに
なるのだから仕方ない。

そんな俺を、エレナは
「あなたは、間違っていない。
当たり前の事よ。
だから、貴方は気にやむ必要ない。」
と、言ってくれた。

本当に、愛しくてたまらない妻だ。

メイソンとアミには、
『会社を辞めてもらって構わない。』
と、伝えた。

メイソンもアミも
どこでもやって行ける力は
あると思うから。

メイソンは、アンソニーに
お世話になった事を考えると
はいそうですか、とは
いかず、去るにしても
会社に少しでも貢献して
去りたいと思っていた。

アミは、
『仕事を続けさせて欲しい。』
と、言った。

アンソニーは、
会社の体制を変えた。

各部署にリーダーを置いて
その人が部署を集約して
社長の自分か自分の秘書と
ミーティングを行う
と決めた。

社内に目を配るし
社内を回るのも前と同じだが
行き届かない所もあるので
そうした。
リーダーの役職はチーフとした。

秘書も、力をつけてきたから
内勤の秘書と
自分と帯同する秘書とに分けた。

通訳の部門は、内勤の秘書が
チーフとなり指揮をとる。

メイソン、アミと新しく雇った
男性一人、女性一人の五名で行う。

内勤の秘書は、他にも
仕事があるから通訳の仕事は
やらないが。

メイソンをチーフにしたくなった。

これは、職権乱用だが。

メイソンはチーフ待遇で
間違いない
だが、アンソニーはメイソンと
会いたくも話したくもなかった。

そんなことも知らずにアミは
メイソンがチーフでないことに
文句を言っていた。

だが、
アンソニーは、相手にせず
メイソンもアミに黙るように
言っていたが、アミは中々
引き下がらずにいた。

アンソニーは、
『愛されていて、良かったな。
だが、職権乱用と言われても
お前をチーフに置くつもりもない。
いやなら、辞めて貰って構わない。
二人共な!!』
と、メイソンに捨て台詞をはいて
部屋をでた。

メイソンは、苦しい顔をするが
反論しなかった。

メイソンは、歯をくいしばって
仕事に精進した。

あれから、アミとは何もない
元から、愛情があった
わけではないから・・・

アミは、誤解してか
メイソンにやたらと触ったり
食事やデートに誘ってきたが
メイソンは、全て断った。
『いつまでも沙織さんに義理だて
しなくてもよいのでは?
離婚して、独身になったのだから
気持ちを開放して良いと思いますよ。
沙織さんだって、
新しい恋人、旦那さんが
できているかも知れませんよ。』
と、アミに言われ

新しい・・恋人?・・・

新しい・・夫?・・・

自分じゃない、誰かが
サオリにキスしたり
触ると思うと
気が狂いそうだった。

勝手だなぁ
自分は、サオリの前で
アミを抱き締めたのに・・・

メイソンは、胸の苦しみから
抜け出せなかった。
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