···平然と?


和彰は、私が尊敬する専務の
三男である。

専務の誕生会に招待された時に
紹介された。
ご家族だけの誕生会なので
何度もお断りしたが
奥さまからも是非にと、
お誘いを受けて
断る事も失礼にあたると思い
出席させていただいた。

和彰は、身長も高く
綺麗な顔をし、仕草も上品で
その上、優しい人だった。

コンタクトと眼鏡を使い分けているが
会社というか
彼は、四菱銀行の課長をしていて
銀行では、眼鏡をしているようだ。

その時、私は和彰を専務の息子さんで
優しい方と、言うことしか
思っていなかったが
和彰から何度も連絡をもらい
専務の顔をたて
会っている間に
和彰の優しさに落ちてしまった。

あれから、三年。
私と和彰は、喧嘩をすることもなく
二人の愛を育んでいた
と・・・思っていた。

会えなくても必ず連絡をくれたり
会えた日は、この上もなく甘やかせて
くれたり、
私には、和彰以外いないと
思えるようになっていた。

そう、あの日
美里さんが言った
同窓会の日・・・

和彰から、付き合いだして
初めて連絡がなかった。

初めてだったから
心配したが
飲みすぎで寝てしまって
カプセルホテルに初めて泊まったよ
と、笑いながら話す
和彰に、良かったと思った。

美里さんの話が本当なら
よくも笑いながら
あんな作り話ができたものだと
思うが・・・

屈託なく話していた
和彰だったから
私は、まだ信じられない
思いがあった。
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