···日本へ


**まもなく到着いたします**



アナウンスがあり

『あっ、パパっ!!』

と、蒼空はメイソンにかけより
飛び付く
『ソラ、ただいま
   また、大きくなったね。』
『お帰りなさい、パパ。』
と、二人が話しているところに
沙織も近づくと・・・・

『サオ・・・リ・・・っ』

メイソンは、蒼空を一度下に下ろし
沙織を抱き締めて
沙織の首元に頭をつけて
『・・どう・・して・・・』
沙織は、メイソンを抱き締めながら
『言わなかった?か。
メイソン話すと心配するでしょ。
だから・・
蒼空が、メイソンにかわって
ずっと、守ってくれたよ。
母もきてくれたけどね。』
『サオリ、愛してる。
ごめん、また一人辛い思いを
させてしまって。』
と、言うメイソンに
沙織は、首を振りながら
『私も、愛してる
    さあ、帰ろう。』
『帰るよ、パパ』
『ああ、帰ろう。』
と、メイソンは、蒼空と手を繋いで
沙織を気にしながら歩いた。

沙織は、妊娠後期
まもなく産まれる。
お腹は多少でているが
相変わらず綺麗なままだ。

年齢的にもこれが最後の
妊娠になるだろうが
メイソンは、また妊娠時に
沙織の側に入れなかった事を
悔やんでいた。

イタリアに戻って
しばらくは、日本へと足を
運んだが、会社の後継者を
育てたり、バタバタしていて
後半、日本へ行けなかった。

早く日本へ行き
サオリとソラと一緒に
暮らしたい、それだけに
躍起になっていた。

そんな俺にサオリも
『会社がうまく回るように
        してあげて。』
と、言ってくれていた。

まったく、俺の最愛の妻は、
毎回、自分より
回りに気を使いすぎる。
優しすぎる
一生、もう離さない。

二度と・・

二人と離ればなれで
寂しく、辛く、苦しかった
あの時のようには
なりたくない。
と、固く心に誓う。
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