···退社


私は、あの日
プロポーズされてから
和彰とは、会ってもいないし
話もしていない。

それも、さけてばかりでは
どうにもならない。

私は、悩みに悩んで
秘書課の室長に相談をした。

室長に専務を傷つけたくない。
だが、もう専務の元で仕事を
続ける事は出来ない
事を伝えた。

室長は、
「専務は例え自分の息子だろうと
いけないことは、いけないと
言える人だよ
話して、きちんと終わらせて
今まで通り仕事をするのも
一つだよ。」
と、言ってもらえたが
「それでは、
専務も気を使いますし
私も至らないところが
あったのだと思います。
それに、まだ彼の幸せみるのは・・・」
と、言うと
室長は、酷く悩まれてから
「退社するつもりなんだね?」
と、言い
「それで今後は、どうするの?」
「はい。まだはっきり決めていません。
母の妹が海外にいるので
そちらに行こうかと
出来ましたら、日本に居たいのですが
四菱ホームズも四菱銀行も
全土にあります。
どこでお会いするか
わかりません。
海外でしたら、その確率も
少ないと思っています。
両親にもしばらく何も伝えない
つもりでいます。」
「そう・・ですか。
新倉さんは、仕事もでき
社長初め三役にとても信頼されて
いましたので、私としましては
非常に残念です。」
室長にありがたい言葉を
頂いて明日は休んでよいと。

1日ですべてを片付けて
翌日は、室長に預けた退職届を
社長に渡して頂き
専務へは、室長より退職を
伝えてもらう事にした。

室長には、
本当に、勝手ばかりで
申し訳なかったが
室長しか頼れなかった。

他言される事もさけたかったから。
< 7 / 71 >

この作品をシェア

pagetop