隠れイケメンの王子様に恋しました
「ねえ、副社長ってチョーかっこいいね!その後ろの人も!」

「い、いた…」

「ん?どうしたのなの葉?」

「あの人…」

こっそりと指差した先にいる二人のイケメン。

「この間私に誕生日おめでとうって言ってくれたイケメンのお兄さん…」

「えっ?副社長なの!?」

びっくりした朋絵がなの葉の顔をバッと見るとなの葉は首を横に振った。

「その、う…」

「よーしみんな!ちょうどいいところに副社長が来てくれたから紹介しよう!将来我がMIKAGE自動車を背負って立つ御影副社長様だー。みんな仲良くなっといて損はないぞー」

わーっと歓声が上がる。
特に女子の黄色い声がこだまする。

「どういう紹介の仕方なんですか、やめてくださいよ」

苦笑いの副社長は一歩前へ出てみんなの顔をぐるりと見回した。

「将来を担うのは若き君たちだ。ここでの研修を経て各々が活躍してくれることを切に願う。一緒にMIKAGE自動車を発展させていこう」

「はい!」

みんなの気持ちいい返事に満足そうに頷いた副社長は後ろにいるもう一人に向いた。
中山さんが思い出したように紹介する。

「そうそう!もう一人の我が社を背負って立つ男!副社長の弟君の製品開発部の御影部長!」

「……」

わーっとまた歓声が上がり挨拶してくれるのを期待してる面々を他所に弟の御影部長は渋い顔。

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