隠れイケメンの王子様に恋しました
工場長はここが事務室です、なんて紹介しながら奥の応接室に促した。
女子がうっとりと見つめる先には副社長と秘書らしき女性、そして、あの御影部長。

なの葉は目の前を通り過ぎる御影部長の横顔を食い入るように見つめていた。

応接室の扉が閉められると、ワッと騒ぎ出す女子女子女子!

カッコイイ!イケメン!副社長もだけど……

一緒にいた人も超絶イケメーン!

悶えくねる女子社員を冷めた目で見る男性社員。
そこに閉まったはずの応接室のドアが開きピタッと会話が止まった。

「土谷、お茶頼む」

「…は、はい!」

またドアが閉まると、いいなあ~とみんながなの葉に群がった。

なの葉ちゃん私が代わりに行ってあげようか?
なんて間近に迫る吉田先輩の申し出に、どうぞどうぞと言いたかったけど、さすがにそこは主任の黒川さん(男)に止められ、女性社員の痛い視線を浴びながらなの葉はお茶を用意し応接室の前に立った。

ドアをノックし返事を聞いてドアを開ける。

「失礼します…」

奥に座る副社長を挟んで部長と女性。
手前に長谷部工場長と技術スタッフのベテラン高岡さん。

何やら書類を広げているテーブルにお盆を置くと一つづつお茶をお出しするのだが…

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