隠れイケメンの王子様に恋しました
すぐ横にあのイケメンのお兄さんがいる…。

じっと見られてる気がして緊張して手が震えた。
女性、副社長とお茶を置いて、部長さんの時に一番手が震えてカタカタと音が鳴る。

落ち着け、落ち着け…

そう言い聞かせながらゆっくりとテーブルに置こうとするとスッと手が出てきて茶托を支えられた。
はっとして顔を上げると切れ長の目と合い僅かに微笑まれた。
少し目尻の下がった優しげな表情に見とれて、頬に熱がこもる。

「あ、ありがとうございます…」

「ああ」

目を伏せ小さくお礼を言うと返事が来て、もう一度顔を見るとやっぱりあの日のお兄さんだと確信する。
でも、誰かに似ている…そう思ってまじまじと見ていると、ふいっと顔を逸らされてしまった。

「なの葉ちゃん、もう行っていいよ」

「あ、すいません!」

気がつけば高岡さんと工場長の分は高岡さんが配ってくれたようでお盆は空だった。
慌ててお盆を持って立ち上がる。

「高岡さんありがとうございます。…失礼します」

にっこり笑う高岡さんにお礼を言うと、みんなに注目されてる気がしてなんだか気まずくてそそくさと応接室を出た。

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