隠れイケメンの王子様に恋しました
・・・・・


「このクッションほんとに人をダメにするな?なかなかヤリやすい」

「な、何言ってるんですか!」

まだクッションの上。
毛布を手繰り寄せ掛けたその下は二人とも裸で寄り添っていて恥ずかしいシチュエーションだ。
毛布を顔に被り恥ずかしがるなの葉を面白がって雪都が剥がそうとする。

「や、やめてください雪都さん!」

ガバッと毛布を剥がされ咄嗟に言うと鼻をむぎゅっとつままれた。

「こら、さっきは呼び捨てしてたくせになんでさん付けなんだ?敬語もいらない」

「う…でも、一応年上だし…今まで敬語だったし…」

「5歳も年上は気になるか?」

ごもごもと言い訳してると心配そうな顔で覗き込んでくる雪都に首を振る。

「そんなことない!歳は関係ないし!…あっ…」

「なら、呼び捨て、敬語ナシ。決定な?」

したり顔の雪都にしてやられた気分のなの葉はぷくっと頬を膨らます。
その頬を片手で難なく挟んで潰す雪都はくすくす笑う。

「そんな顔してもかわいいだけだよ」

「何ですかそれ?」

「また敬語。お仕置きだな」

「あ…」

お仕置きだと言いながら唇を寄せてきた雪都に息もつけないほどの濃厚なキスをお見舞いされた。
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