起たたない御曹司君の恋人は魔女

 とりあえず勇は事が収まるまでは、自宅待機になった。

 このままでは仕事ができないと判断されたのだ。


 営業部長の代理として、3日後からアメリカ支社から助っ人が来る予定だ。




 メールの一件で騒然となたが、お昼には落ち着きを取り戻しいつも通りの職場に戻った。




 結沙は今日は外回りの為外出している。



 外は秋風が吹き始めちょっと寒く感じる。



 
 結沙が歩いてくると、とる交差点に1人の女性が立っていた。

 
 綺麗なブロンドの髪が肩まで長い女性。

 ちょっと薄着で、黒いワンピース姿でスカート丈が踝まであり黒いハイヒールを履いている。



 歩いて来た結沙は、なんとなく女性を見た。


 信号が青になっても渡らない女性。


 すると・・・・

 女性の傍に勇がやって来た。



「え? 」


 遠くから立ち止まり、結沙は様子を見た。




 女性が前髪が長くて顔がハッキリ判らない。

 
 勇は女性に何か焦って言い訳をしている様子。


 女性はスーッと交差点向こうのビルを指さした。


 勇は非常に驚いた顔をした。




 ヒラヒラ・・・。

 氷のような雪が舞い降りてきた。


「え? 雪? 」


 結沙は手を広げた。


 氷のような雪は、結沙の掌に落ちるとシュッと消えてしまう。


「これ、昨日の夜と同じだ・・・」



 昨日、リラが「住むところがない」と言った時、同じような雪が舞い降りてきた。


 掌で消えた雪は、なんとなく悲しい感じを受けた。

< 29 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop