起たたない御曹司君の恋人は魔女

「これでも、違うって言うの? この車のナンバー、これは貴方の車。母と一緒に、乗っていた事があるでしょう? 」


 ボワット、鏡に車が映し出される。


 レイナをはねた車と同じ車に、勇とレイナが一緒に乗り込んでいる様子が映し出された。



 勇は絶句して何も言えなくなった。


「これでも言い訳する? 」


 勇は何も言えず、苦渋な顔をした。


「貴方に選択権をあげるわ」

「なに? 」

「警察に自首するか、ここから飛び降りて死ぬか。どちらかを選んで! 」


 勇は崖の下を見た。


 絶壁の崖。

 ここから落ちたら死ぬのは当然だ。



「どうするの? 自首する? それとも・・・」


 ガッ! 


 勇はリラの首を絞めた。

「うっ・・・」

「死ぬのはお前だ! 邪魔されてたまるか! 俺には、妻と子供もいるんだ。仕事だって、何とか復帰できる。あんな事故で、俺の一生しばられてたまるか! 」

 
 メキメキとリラの首が音を立てて、勇の指が食い込んでい行く・・・。


「母親と同じように、お前も死ね! 遊びだって、気づかないレイナが悪いんだ! 俺が本気で、女なんて愛するわけないだろう! 妻と結婚したのも、お金持ちだったからだ。だが、金持ちの娘は自分で稼ごうとしない。いつまでも、親の金があると思ってやがる! 金がそこ尽きても、平然と遊んでいるんだ! 俺が、女で遊ぶのと同じじゃないか! 」


 リラの唇が真っ青になってゆく・・・。


「娘のお前がでてきて、母親の敵討ちか? 返り討ちにしてやるよ! 死ぬのは、お前だ! 」

 グッと力を入れられて、リラは目の前がかすんでゆくのを感じた。


 その時。

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