魔女狩り


サラは決して魔女の力を使って父を助けようとはしなかった。


それは、キリクを国王の手から救い出した後に決めた、魔女の力なくしての平和の確立という夢の為であった。


そして、それはラウルも心得ていることであり、だからこそラウルも、自ら死地へと赴くことを名乗り出たのだ。


そして、ラウルは隠れ家に残る何名かの兵を引き連れ、グリレイオスの居城、砂漠の大オアシス、デザートレインへと、馬を走らせるのだった。




















デザートレインは砂漠の大オアシスに築かれた、砂漠の王の居城だった。


国王の居城に比べれば随分と小さいものの、その守りは堅固なものであり、城の眼下に広がる城下町は、砂漠の商人の行き交う町として栄えていた。


デザートレインは大オアシスであるが故に町には水が溢れており、城と城下の間にも丁度堀のような形で水が貯えられていた。


そして、その水が反乱軍の進軍を妨げ、デザートレインは未だに陥落せずにいた。


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