魔女狩り


首桶を携え反乱軍へと訪れたアルゴスの目に、既に涙はなかった。


ここで涙を流せば、グリレイオスへの忠誠を問われ、打ち首にされかねなかったからだ。


そして、そうなってしまえば、王グリレイオスとの約束を果たすことも出来なくなってしまい、自ら死を選んだ王への忠義を果たせなくなってしまうのだ。


その為、アルゴスは、心を鬼とし涙を止め、鉄の心を持ってして反乱軍へと膝まづいたのだった。


そして、アルゴスは反乱軍となる。















一方、レターはと言うと、行商に扮してレザートレインから離脱した後、レザートレインから一番近くにあるサラの隠れ家へと向かって馬を走らせていた。


だが、その道中、レザートレイン付近に身を潜めているラウルとの再会は果たせぬまま、レターはその歩を進めてしまうのだった。


そして、我が君の為、横目も向けず目的地を目指すその心が、その後の運命を大きく決めてしまうのだった。





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