魔女狩り

-13-


その言葉にグレイオスは耳を疑い、キリクは動揺した。


しかし、王へのキリクの対応は早いものだった。

キリク
「この者は名うての戦士。
我らと共に西に同行させてはいかがでしょうか?」

キリクはグレイオスに恩義を感じていた。


キリクはこの提案で、砂漠でのオアシスのこと、荒原でのゼノスのことに報いたかったのだ。


牢に繋がれる屈辱に比べれば、死と隣合わせの戦場の方がいい、それは騎士や戦士の誰もが思うことだった。



ダリウス
「…ラウルのことに加え、ジャノスの魔女のこともある。
そいつを連れて行くわけにはいかぬ。」


グレイオス
「私は魔女とは関係ありませぬ!」


ダリウス
「しかしだな…。」


キリク
「…」


ダリウス
「…マーダーをジャノスに遣わす分、西への戦力が落ちる。
お前がマーダーに匹敵する力があるならば、直接私の監視の元、西に連れて行こう。」


キリク
「!?」


キリクが驚いたのにも無理はない。


グレイオスはこの後、マーダーと闘わなければならなくなっていたのだからだ。


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