死りとりゲーム


翌日は全校集会から始まった。


全ての授業がなくなり、カウンセリングを行うという。


そんなことをしても解決はしないけど、あと1回ゲームをクリアさえすれば、晴れて退会ができる。


賢太はまた裏切るだろうけど、新田くんのほうが1枚も2枚も上手だ。


新田くんが負けるはずがない__。


「田辺、探索か?」


振り返るでもなく、声の主が分かった。いつも私を励ましてくれるからだ。


「新田くんも?」


「ああ。賢太がなにか仕掛けてくるか分からないからな」


「昨日は、ごめんなさい」


「なんで田辺が謝るんだ?」


「だって、私のせいで【る】がいっちゃったから。そうならないよう選んだつもりだったのに」


「田辺のせいじゃないよ。賢太はどんな言葉も【る】で終わらせるつもりだった。だから気にするなって」


「うん__でも、悠馬のときも私、ピンチにならないよう考えたのに」


「だからそれも、賢太には通用しないさ。それより、俺があのとき悠馬を呼んだりしなければ、悠馬は死ぬことはなかったかも」


新田くんがそう言って、目を伏せる。


死り神から逃げていた悠馬の名を呼び、振り返った顔に鎌が突き刺さった。


ずっと、責任を感じていたの?


「新田くんのせいじゃないよ」


同じ責任を分かち合うことで、より近くに感じられる。


好きな人を近くに。


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