俺様課長のお気に入り
「えっと……どこかな?
あっ、あれだ!一番上じゃない……脚立、脚立……」


ガチャ


ん?誰か来たかな?


「あれ、陽菜か。よく会うな。何してるんだ?」

「うわっ。また岩崎さん……」

「うわっとはなんだよ。で、こんな所でサボりか?」

「違います!頼まれた資料を取りに来たんです。で、それがよりによって最上段なので、脚立を取りに行こうとしたんです」

「ああ……陽菜じゃあ真ん中の段ぐらいまでしか手が届かないもんな」

「もう少し上も届きます!!」

「はいはい。強がるな。で、どの資料がいるんだ?」

「あれとあれですけど……」

そう言って指し示すと、

「ほら」

と、取ってくれた。

「あ、ありがとうございます」

「おっ素直にお礼が言えるじゃないか。よしよし」

なんて頭を撫でられた。

「だ、か、ら、私は子どもじゃなくて、大人です!お・と・な」

「ああ、はいはい。
あっ、そうだ。今朝話した日曜日のことだけど、11時半にこの前のカフェで待ち合わせな。あそこでランチを食べて移動するからな」

「なって、勝手に決めないでください!!私はまだ承諾してないですよ!!」

「陽菜に拒否権はない!大人の言うことは絶対だ。わかったな。じゃあな」

またもや反論する隙一つ見せずに、必要な資料を取って去っていった。

はあ。
日曜日、行かなくちゃだめかなあ……

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