蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「春にまたここでトークショーをさせていただくの。お茶会はもう懲り懲りだけどね」
綾瀬花音の言葉に吹き出しつつ、笑顔で挨拶する。
「ご無沙汰しています。レギュラー番組が決まったと聞きました。おめでとうございます」
「そちらもテナント出店、おめでとう」
なぜ年下の彼女がため口で私が敬語なのか不明ながら、これぐらい図太くないと芸能人は務まらないのかしらと考える。
「これからは芸能界メインでやっていくの。芸能界入りは蓮司さんに勧められたのよ。六月のイベントが終わった日、銀座で彼と過ごしたときにね」
彼女は得意げにそう言って、赤いグロスの口角を上げた。たしか彼は彼女にオマケはいらないと突っぱねたはずなのに、どういうこと?
「あなたは花の世界にはもったいない。花より目立ってしまうって。たしかに、花より私自身にファンがついてるから、まあそうなのよね」
天は二物を与えずというけれど、彼女は顔だけを得て、煮ても焼いても食えない性格はもうどうしようもないらしい。
綾瀬花音の言葉に吹き出しつつ、笑顔で挨拶する。
「ご無沙汰しています。レギュラー番組が決まったと聞きました。おめでとうございます」
「そちらもテナント出店、おめでとう」
なぜ年下の彼女がため口で私が敬語なのか不明ながら、これぐらい図太くないと芸能人は務まらないのかしらと考える。
「これからは芸能界メインでやっていくの。芸能界入りは蓮司さんに勧められたのよ。六月のイベントが終わった日、銀座で彼と過ごしたときにね」
彼女は得意げにそう言って、赤いグロスの口角を上げた。たしか彼は彼女にオマケはいらないと突っぱねたはずなのに、どういうこと?
「あなたは花の世界にはもったいない。花より目立ってしまうって。たしかに、花より私自身にファンがついてるから、まあそうなのよね」
天は二物を与えずというけれど、彼女は顔だけを得て、煮ても焼いても食えない性格はもうどうしようもないらしい。