通信制の恋
お茶を飲み終えると2人で背を向けあって着替えを済ませ荷物を整理し、部屋を出た。


直がロビーのカウンターでチェックアウトを済ませ、私達は昨日も行った温泉街へと向かった。


「お母さんになに買おう…」


「無難に温泉まんじゅうとか?」


「やっぱそれかなぁ…、あ、杏樹ちゃんにも何か買っていこうかな。食べ物じゃ悪くなっちゃうし…」


「ハンドタオルとかは?」


「あー、いいかも。」


私達は手を繋ぎながら、温泉街をぶらぶらと歩き、お母さん用と杏樹ちゃん用にお土産を購入した。


そして、新幹線の時間に合わせて、在来線に乗り、新幹線のある大きな駅へとやってきた。


「もう帰りか〜、早かったなぁ…」


「楽しかった?」


「うん!ゆっくり出来て良かった!テーマパークとかよりもこっちの方が私は好き」


「俺もあまりテーマパークとか得意じゃないから、結が喜んでくれたみたいで良かった。」


新幹線に乗りながら感想を述べ合うと、私はいつのまにか直の肩に頭を乗せながら眠ってしまった。





「結。結、着いたよ」


「ん…、んんーっ、もう着いたの?」


「ほら、降りるよ。」


直が手を差し出してきたので、大人しく手を握ると、ぐいっと引かれた。


思わず直の胸に飛び込む形になり、私は昨晩のことを思い出して、顔から湯気が出そうなほど熱くなった。


「ご、ごめん!」


「…昨日のこと思い出した?かわい。」


「う…、うるさい!」


キャリーケースをガラガラと引いて私は我先にと新幹線を降りて駅を出た。


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