MIYU~シングルマザー二十歳,もう一度恋します~
でも,それとこれとはワケが違う。ずっと付き合っていた彼氏に「会いたい」と言うのと,一度も会ったことがない男性に「会いたい」と伝えるのとは全く次元の違う話なのだ。
こうして,美優の方からは「会いたい」と伝えられないまま,バイトと子育てに忙殺(ぼうさつ)されること二週間弱――。

ある日の夕方,家に帰ってきた美優がいつものように,例のアプリを開いてメッセージを確認すると……。
「……あ,〈Yu-Ichi〉さんから。今日は何だろ?」
このごろ,彼からのメッセージが来るたびにハッピーな気持ちになっている彼女は,ワクワクしながら受信メッセージの画面を開く。
『MIYUさん,いつもメッセージありがとう。
一度会ってお話しませんか?ものすごく会いたいです。
僕の方はいつでも都合(つごう)がつくので,MIYUさんの方の都合を教えてくれませんか?』
「え……」
自分からはなかなか「会いたい」と伝えられなかったので,相手からの「会いたい」コールに美優の胸がキュンとなった。
ちなみにここはリビングで,母の奈那子も春奈もいる。父の秀雄はまだ帰っていないが,じきに帰ってくるだろう。
けれど,このメッセージにはすぐにでも返事をしたかった。
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