MIYU~シングルマザー二十歳,もう一度恋します~
「だって,自分の責任でできた子を『堕ろせ』なんて簡単に言うんですもん。こんな父親ならいらない,あたし一人で育てるんだ,って……思ったんですけど……」
我ながら,声が尻すぼみになっていくのが情けない。
「自信,なくなっちゃったんだ?だから婚活を?」
「はい。正直あたし,子育てナメてたんです。で,現実を思い知って」
初対面の裕一にズバッと言い当てられ,美優は肩をすくめる。ついでに,メッセージでは打ち明けられなかった秘密をカミングアウト。
「実はあたし,高校時代ギャルだったんです」
「だろうねえ」
「ちょっと!なんでそこで納得しちゃうんですか?」
いともあっさりと事実を受け入れた彼に,美優は口を(とが)らせて抗議した。
「だって,そうでもなかったら,そんないい加減な男と付き合ったりしないだろうなあ,と思って」
「……はい。そうですよねえ」
彼女は初めて,四年前の自分自身を呪いたくなった。
春奈を身籠ったことも,シングルマザーになる道を選んだことも,後悔はしていないけれど。
(アイツ)に出会わなければ,付き合わなければ,今ごろは別の人生を歩んでいたかもしれない。そう思うことはよくあった。
今更悔やんだところで,この四年間は取り戻せないのだけれど……。



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