MIYU~シングルマザー二十歳,もう一度恋します~
「こないだ,娘の保育園の先生に言われたんです。『上のクラスに上がったら,父親がいないことで,春奈がつらい思いをするかもしれない』みたいなことを」
「うん……」
「はっきりとじゃないけど,そう取れることを,です。で,あたし先生に言ったんです。『ちゃんと対策は考えてるから,先生が気負うことない』って。やっぱり,春奈を片親の子にしてしまった責任は感じてたので……」
片親の子育ても,きっとやってやれないことはない。でも,それも限界に近づきつつあった。
春奈だって今はまだ小さいから,父親がいないことを分かっていないかもしれない。けれど,もう少し大きくなったら,疑問に思うのではないだろうか。『どうしてあたしにはパパがいないの?』と。
「そうだったんだ。だから,本気で婚活しようと思ったんだね?春奈ちゃんのために」
裕一の言葉は優しくて,だから美優も素直に頷けた。
「やっぱり,君はいい母親だと思う。だったら,春奈ちゃんのためにも,うーんと幸せにならないとね」
「そうですね。それってやっぱり,裕一さんと……でしょ?」
美優の言葉を,彼は肯定も否定もしなかった。ただ曖昧(あいまい)に笑っただけで。
(あたしは本気なんだけどなあ……)
裕一だって,美優にその気があるから,今日は会ってみようと思ったのではないだろうか?
(でも,(あせ)っちゃダメだよね)
まずは,彼の人柄をよく知ることから。美優はそう思った。
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