過ぎた時間は違っても
運動場を走りながら同級生と他愛のない話をしていてもこんな生活を送っていたのかと疑問に思ってしまう。もう少し何か、まだわくわくしていたような。楽しんでいたような気がするんだよな。

「今日は何通もらったんだ?愛の手紙は」

「えーっとぉ・・・、紙袋じゃ足りないくらいかなー」

中くらいの、上半身が半分隠れるくらいの紙袋が溢れかえるくらいだから、四分の一くらいの生徒からもらったんじゃないのかな。でも、毎日同じくらいの量が来ているから同じ生徒が何通か書いているんだろうな。
あれ、俺って前までラブレターなんて貰っていたっけ。小学生の頃から下駄箱が溢れかえるくらい貰っていたけどそうじゃなくて。何か、俺の感じている日常と何か違う気がする。何が違うんだろう。昔からラブレターなんて見たくないほど貰っているのに。
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