過ぎた時間は違っても
この部屋に戻ってくる事が出来ればまた、全てを思い出す事が出来るそうだ。ほっと肩を撫で下ろした私に、神様は言葉を続けた。

「俺の我が儘にお前の命を付き合わせている事、本当に申し訳ないと思っている。幸せで長生きできる人生を送らせてあげられなくてごめん」

「いえ。今回の事態は悲しむ家族を見ていられなかった私の責任ですから」

「俺の所に戻ってきてくれるか・・・?」

「呼んでくだされば必ず戻ってきます」

頭を撫でる神様の目を見つめて本音を伝える事が出来た。薄々感付いてはいたんだ。自分の我が儘に私を付き合わせた事を後悔しているんじゃないかって。だから、頻繁に生き返りたいか訊いてくるんじゃないかって。生き返りたいと言えばすぐに生き返られるようにしていたんじゃないかって。
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