過ぎた時間は違っても
怖がっている時に言い訳された所で聞く耳を持てるわけ無い。恐怖が先に来て混乱してしまうだろう。
謝りたかったな。俺はただ、楽しい時間を共有したかっただけだったから。俺が考え付いた一番の楽しい時間が体を動かしている時だったから、彼女も出来るであろうバスケで勝負したら互いに楽しい時間を過ごせるかもと自分勝手な考えを押し付けようとしていたなんて。

「すんません・・・」

「良いんだよ。あの勝負を見れば誰だって手合わせしてほしくなるさ」

謝罪を簡単に受け入れてくれたのは、俺の気持ちが分かるからだったのか。確かにあの子の動きは素晴らしいと思う。
隣町に両親と出掛けた時に見掛けた事があったんだ。太陽が昇り始めた頃、リングのある公園で彼女は自主練習をしていたんだと思う。
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