過ぎた時間は違っても
説明できないけれど様子が変だという二人に半ば強引に連れられて体育館に行くと、生徒たちが進路を妨害して教師が兄とあの男子に近付けていなかった。派手にやっているなと思ったけれど大人の、しかも男の教師が近寄れないほどの生徒の妨害を女でまだ子供の私が掻き分けていける訳もない。かと言って止めてほしいと叫んでも周りの声に掻き消されて終わりだろう。

「もうあいつに付きまとうな!迷惑なんだよ!」

「最近の羽季は付きまとっていないし話し掛けてもいない!」

「でも部長、付きまとわれた方に昔も最近も無いんじゃないかと思うなー」

明穂ちゃんの兄、武弘さんと私の兄である翔琉とあの男子の声が聞こえた。
< 142 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop