過ぎた時間は違っても
いつもならからかっているとか、誰にでも言っているんでしょとか問い掛けていたと思う。でも、今回ばかりは本当に不思議そうな顔をしていたから問い掛けれなかった。

「前世とかそういう類いの奴なんじゃない?皆が言ってる運命みたいなのって」

「運命か・・・。一番しっくり来るかも」

やっと笑ってくれた。集合場所で会ってからずっと何かが気になっているような表情をしていたから心配ではあったの。でも、励まし方や悩み事の聞き出し方なんて知らないから空元気で騒ぐ事しか出来なかった。絶滅したはずの動物を見た時は本気で驚いたけれど、騒がしすぎるのも不味かったかな。悩んでいたから浮かない表情をしていたんじゃなくて、うるさいと思われていただけだったらどうしよう。
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