過ぎた時間は違っても
美幸さんは落ち込んでいたけれど、そんな事はどうでも良い。今は両親に苛立っている場合じゃない。唯織の安否と保護の方が大切だ。一体どこにいるんだ。大丈夫なのか。

「ちょっと電話してくる」

「犯人にですか?」

「まさか。刑事だよ。唯織の居場所が分かったから向かってもらうんだ。唯織を寿命以外で死なせないために」

少し怯んでしまった。立ち上がり、病室を出た時の翔琉先輩の表情が殺意丸出しだったから。俺だって犯人が意識不明で動けなくなるくらい殴りたい。精神的にも追い込みたい。でも、殺したいとまではまだ考えられなかった。唯織たちとは違って平和に生きてきたから殺したいほど憎いという感情が分からなかった。
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