過ぎた時間は違っても
俺の両親のせいで知っていたんだ。ああいう人は説得しようと殴りかかろうと考えを改める事はないって。でも、一発で良いから殴りたかった。病気のある唯織が生きたいと願っているのに、親であるお前らは手助けもしないのかって。寧ろ、命を短くしようとしているのかって。

「悪い、見苦しい所を見せて。唯織、見た目があんなんだろ?他と違うからって言うだけで嫌ってんだよ。世間体を気にして施設には入れないらしいけど、鬱陶しく思ってんだ。唯織の持病も発覚した時は治せるくらい軽かったんだ。でも、唯織にお金を使う事を渋って悪化させて取り返しが付かなくなって二十歳まで生きられるか危うくなった。今の高校を許したのも家で顔を合わせなくなるからだし」

「そんな・・・、唯織ちゃんは生きたがっているのに・・・」
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