過ぎた時間は違っても
「翔琉は違和感無かったの?」

「唯織ではない別の名前を呼ぼうとしていたり、唯織が家にいる事が不思議に思ったりした事はあったけどお前らほど頻繁ではねぇよ。数年に一回あったら多い方くらいだ」

翔琉先輩にもあったのならやっぱり今の世界が偽りの世界なのか。唯織のいない世界が現実なんて、真実なんて受け入れたくないな。このまま、生きたまま帰る事って出来ないのだろうか。
無理だよな。現実の世界に戻るんだから。でも、もし俺がこの世界を作ったのだとしたら唯織を病気のままにはしなかっただろう。だって俺は唯織と生涯添い遂げたいのだから、成人までしか生きられないのなら別の世界を作った意味が無い。
そういえば慶太郎おじさんが唯織の病気を治せなかった事を酷く後悔していたな。もしかして慶太郎おじさんが?
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