過ぎた時間は違っても
本当に大丈夫かな。流石に二人で行くのは止めた方が良いんじゃないのかな。せめて誰か、頼れる大人に付き添って頂いた方が羽季に責任押し付けすぎずに済むし私も安心できる。万が一があったら困るのは私と羽季だから。

「そういえば、監督が健康だったら世界に出ていける選手だっただろうって褒めてたよ」

「持ち上げすぎじゃない?」

帰りの準備を済ませた羽季が自転車を取りに行った私の許へ駆け寄ってきた。さっきの一本取るだけの遊びを見ていたバスケ部の監督が私を褒めていたらしい。視力計り直して眼鏡を買い換えた方が良いんじゃないかと思うけど、校内で口にする訳にもいかない。残り少ない生命なんだから停学を食らいたくない。でも、私には実力はない。中学の時に身に付けた癖がまだ残っていただけ。
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