私だって少女漫画の〇〇になりたいっ!


けどモブキャラでも本当にヒーローのこと、好きになっちゃったら辛いよね…。
ヒロインのライバルにすらなれない。 ただ見てるだけ。
時にモブキャラの中には嫌な役回りをさせられることもある。 ヒロインいじめとか、集団でヒロイン呼び出しとか……

そんなときは決まってヒーローが登場してヒロインを守るんだ。
それがお決まりのパターンで、そこで読者にキュンとさせるのが王道な少女漫画だと思う。

少女漫画でそんな風に意地悪するキャラは、読者の嫌われものになってモブキャラと化すんだけど、そういう子たちって自分がヒロインになれないことをわかってるから意地悪しちゃうんだろうな……

本当は悔しくて悔しくて、たまらないんだと思う。
意地悪してヒロインを傷つける自分も、実は嫌いかもしれない。

もし現実にそういう子がいたら、私はどうしたらいいんだろう…?

『なんてひどいやつだ!』と、嫌われることが当たり前のようにされたそのキャラたちにだって、気持ちや心はあるのだ。

嫌われ者として存在を残せるだけモブの中ではいいほうなのかもしれないけど、結果的にはいつのまにか忘れられていくキャラたち。

そういうこと、考えて読んだことなかったな……
激しく反省だ……


「…ブハッ……!」

「…っ!?」

噴き出したような音がして目の前にいる真壁くんを見ると、口元に手を当てて肩を震わせている。
そして、私に気づかれないように配慮してくれているのか、顔がそっぽを向いていた。

もしかしなくても、これは、笑ってる……?


< 20 / 100 >

この作品をシェア

pagetop