私だって少女漫画の〇〇になりたいっ!
「どうせ私が見せるって言っても、"そんなの筋が通ってない!"とかなんとか言って聞かないだろ」
原田は眉間に少しだけシワを寄せながらそう言う。
「…はい、その通りでございます…
しっかり反省します…」
しょぼーんと肩のみならず頭の力まで抜けると、原田が肩をポンと叩いてくれた。
「わかんないとこは教えるから」
「原田…ありがと…」
そのまま原田と一緒にクラス分けの名簿を確認するため掲示板の前まで行く。
「橋本、また同じクラス」
「原田、また同じクラス」
「「今年もよろしく」」
私たちは声を揃えて軽く喜びのグータッチをした。 嬉しくて思わず顔がほころぶ。
周りにいる生徒たちも、私が近くにいることに気づいていないせいか、誰々がどこのクラスになったという話題で盛り上がっていた。
私には大好きな少女漫画があって、そばに原田がいて、他人の恋をこっそり覗き見できれば、もうそれだけで十分だった。
だが、その平穏な私の生活も突如として舞い込んだ謎の美男子によって崩されていくらしい…ーーーーー