私だって少女漫画の〇〇になりたいっ!
「わかりました…じゃあ放課後稽古の時間まで教えて下さい」
「娘さん何組だ?」
「3組です」
「わかった。 終わったらすぐ行くから」
「ありがとうございます…!」
まるで本当のお兄ちゃんみたいだなあ…とか、先輩に言ったら怒られるかな…?
今日こんなに仲良くなれたばかりなのにおかしいよね。
「あ、先輩も連絡先教えて下さい!」
「あ? あぁ、そうだな」
その後熊谷先輩の連絡先も無事ゲットできると、熊谷先輩はお母さんたちにここに通うことを承諾を得るために帰っていったのだった。
「…怒涛の1日だったな……」
学年が2年に上がってまだ2日しか経ってないというのに、もう1ヶ月くらい経ったくらいの気持ち。
けど……
ドキドキしたし、ハラハラもしたし、これからのことを考えるとワクワクもしてる。
なんだろう…物語の中の何かになれてるようなこの感じ。
自分が体験できてる感じ。
ただ見てるだけじゃ味わえない。
すごい……。
もちろん明日からも他人の恋愛事情観察はしちゃうだろうけど、きっとそれだけじゃない気がする。
それがまた嬉しくて、少しソワソワしたりして…
そんなこと考える暇があったら、とりあえず課題を終わらせなきゃいけないんだけどさ。
原田に報告するの明日でいいか……(結局)
日が落ち、少し肌寒くなった外の空気を思い切り吸うと気持ちよくて、私はニヤける顔を隠すことなく再び道場の中に入っていった。ーー