私だって少女漫画の〇〇になりたいっ!


「橋本……?」

「違うんだよ…たぶんフラグ通り、私が恋に落ちてるっぽい……真壁くんのこと、好きになってるのかも…」

「……まじかっ!」

私の奇想天外な言動に慣れているからなのか、いつもあまり驚かない原田も、私の突然の告白にビックリした様子だった。

「まじなんだよ原田あああっ!
私チョロすぎない!? こんなに少女漫画ばっかり読んでて、すぐイケメンのこと好きになる女の子にはケチつけてたくせに…っ、私自ら秒で恋に落ちるとかさあっ!!」

「そこ…?」

もちろん現実で恋するということにワクワクもしている。
真壁くんに近づかれるとドキドキして、心臓がとび出そうになったし、かっこよすぎて目が潰れそうだったし、鼻血までも出てしまった。

「チョロい…自分がこんなにチョロいなんて思わなかったんだ……」

そりゃあ男の子を好きになるなんて小学生以来だから嬉しいよ。
嬉しくないわけない。
でもすぐ好きになってしまう簡単な女具合に、今更だけど落ち込んでしまうんだ。

なぜなら私が好きな少女漫画では、ヒロインや時にライバルにだって、相手を好きになる理由があったり、時間をかけてじっくり好きになっていく。
そういう少女漫画に憧れて、ときめいて、感動だって更に大きくなるのだ。

それなのに、私ときたら……真壁くんのこと何も知らない上に、まだ喋った初日で…!?
完全に見た目じゃん…あのキラキラにやられてるじゃん……っ


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