優しい彼と愛なき結婚

ーー1ヶ月後、11月3日。
日曜日。

私の誕生日を迎えた。
その日はいつも通り家族で過ごそうと歩夢が言ってくれた。


そして朝早くから歩夢とおばあちゃんが訪ねて来て、2人は誕生日プレゼントをくれた。

おばあちゃんからは手作りのマフラー。なんと大悟さんの分も作ってくれて、お揃いだ。模様まで入れ込んであり、手間がかかったことだろう。


そして歩夢からは、フォトウェディングというウェディングドレスを着てスタジオで写真が撮れるサービスをプレゼントされた。


「もうお金は支払ってあるから、大悟さんと行って来て」と、照れくさそうに鼻をかきながら歩夢はスタジオの地図を押し付けて来た。


大悟さんと2人で驚き、そしてすぐにスタジオに向かったのだ。

スタジオの横には美容院が併設されていて、着付けやメイクアップも全てお任せできるらしい。


鏡の前でメイクを施される自分を見て、泣きそうだった。

結婚式は借金を完済したらと大悟さんに話したところ、彼は快く了承してくれた。しかし写真だけでも先に、とは考えもしなかったから。歩夢の気遣いに込み上げてくるものがあった。


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