優しい彼と愛なき結婚

「ああ、ちなみに。大悟の髪の色は、フリースクールで子供たちが馴染めるように派手にしたんだって。俺には理解不能だけど」


「うっせ。真面目な顔した大人に誰も心開かないだろ」


「そう?俺には開いてくれていると思うけど」


「ちっ、」


大悟さんの舌打ちに、副社長が笑う。

大悟さんが現れた時から副社長の一人称が私から俺へ変わっていたけれど。お互いのことをさらけ出す仲間がいることは羨ましいな。


「じゃ、俺も。優里の副社長面接とやらが、どんな感じだったか教えろよ」


「はい?そんな昔の話、今更…」


「あはは。覚えるよ。手と足が一緒に出るくらい緊張していたよね」


私の初々しくも恥ずかしい話題で盛り上がる2人。


次から次へと話題が尽きず、結局終電まで飲み続けた。


< 232 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop