一途な御曹司と16歳の花嫁



しばらく、その場に立ちつくして放心したようになっていたけど。


ガチャーン


ガラスが割れるような嫌な音が下から聞こえて、夢中で駆け出した。


やっぱり、ただ待ってなんていられない。


階段を駆け下りたら、旦那様の部屋の前で立ち止まった。


ドアにへばりついて、聞き耳をたてるけど何を話しているのか聞こえにくい。


ただ、旦那様の激しい怒鳴り声だけが響きわたる。


かなり興奮しているみたいだし、その怒り具合の凄まじさに体がガタガタ震える。


そう言えば、昔もこんなことがたまにあったような気がする。


少年時代の伊織さまは何時間もこの部屋で、父親にお説教を受けていて、ようやく終わってでてくるときには、ぐったりと疲れ果てていた。


私はそんなイオくんになんにもしてあげられなかった。
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