先生、好きって言って。
『で、成瀬と何で一緒にいたの。』
「…内緒です。」
先生の事を話していたから言えるわけない。
『…珍しいなって思って。古村はいつも1人でいるしあんまり誰かと喋ってるの見たこと無かったから。ましてや、告白以外で男子と喋ってたの見てちょっと驚いた。』
「まぁ、涼は別です。」
『……ふーん。ていうかさ、何で名前で呼んでんの?』
「あぁ、呼べって言われたんです。涼は結構話しやすくてぜひ友達に…」
『蘭。』
……え?
今、先生が私の名前呼んでくれた…?
拍子抜けして口がポカーンと開いたままだ。
『蘭っていい名前だな。』
「へ?」
な、な、名前呼んでくれたと思ったら、いい名前だなって…
「もう!先生!びっくりしました!」
『っはは、いや、いい名前だなって思って。でも、下の名前で呼び合うのはやめとけ。また、周りの女子に何か言われるぞ。』
あ、それもそうだ。
「わかりました。気をつけます。」
『ん。じゃあ、気をつけて帰れよ。寄り道すんなよ。』
「一緒に寄り道してくれるような人はいませんから大丈夫です。では。」
名前、呼んでくれたのが嬉しくてちょっとだけ期待した。
また来年のバレンタインもあげよう。
次は本命で。
『……そういう寄り道じゃないんだけど。』