聖女の魔力が使えません!~かわりにおいしい手料理ふるまいます~
いずみは瞬きをして、上半身を起こした。
「おお……本当に現れた。これが聖女か」
銀髪の男がいずみに近づいてきた。目を上に向けて、もう一度顔を確認する。
瞳の色は空の色に近い青だ。仕事柄、いずみはテレビ局に出入りする際には芸能人と対面することもあるが、その辺のアイドルよりも気品を感じた。
「やりましたね、オスカー陛下、これで我が国も安泰です」
太鼓持ちのように両手をこすり合わせて、特徴のない白服の男が言う。
「そうだな、神官。ゴホン。さて、聖女よ。私に顔を見せてくれ」
男は片膝をついて、呆然して言葉もないイズミの手を取った。
オスカーと呼ばれた銀髪の男は若かった。ジャ二系のアイドル顔をしている。
(ここでいきなりバク転とかされても驚かない)
うん、と頷き、愛想笑いを向けると、オスカーはいずみの顔をまじまじと見つめ、あからさまに声のトーンを落とした。
「……案外普通なのだな」
(悪かったね、盛り上がるような美形じゃなくて!)
自分の容姿が十人並みなのは知っているが、あからさまな態度は傷つく。
オスカーは芝居がかった態度で、いずみを立たせた。
「名前は何というのだ? 聖女よ」
「私は、椎名いずみです。ここはどこなんですか? 私、第二スタジオで『今日もパクっと健康料理』の収録中だったんですが」
「スタジオ……? そのようなものは知らぬが、お前は私の呼びかけに応じ、このセルティア王国へ召喚されたのだ。この国を救う、聖女としてな」
「聖女……?」
いずみは思わず繰り返した。そんなフレーズ、まるでラノベのようじゃないか。
「おお……本当に現れた。これが聖女か」
銀髪の男がいずみに近づいてきた。目を上に向けて、もう一度顔を確認する。
瞳の色は空の色に近い青だ。仕事柄、いずみはテレビ局に出入りする際には芸能人と対面することもあるが、その辺のアイドルよりも気品を感じた。
「やりましたね、オスカー陛下、これで我が国も安泰です」
太鼓持ちのように両手をこすり合わせて、特徴のない白服の男が言う。
「そうだな、神官。ゴホン。さて、聖女よ。私に顔を見せてくれ」
男は片膝をついて、呆然して言葉もないイズミの手を取った。
オスカーと呼ばれた銀髪の男は若かった。ジャ二系のアイドル顔をしている。
(ここでいきなりバク転とかされても驚かない)
うん、と頷き、愛想笑いを向けると、オスカーはいずみの顔をまじまじと見つめ、あからさまに声のトーンを落とした。
「……案外普通なのだな」
(悪かったね、盛り上がるような美形じゃなくて!)
自分の容姿が十人並みなのは知っているが、あからさまな態度は傷つく。
オスカーは芝居がかった態度で、いずみを立たせた。
「名前は何というのだ? 聖女よ」
「私は、椎名いずみです。ここはどこなんですか? 私、第二スタジオで『今日もパクっと健康料理』の収録中だったんですが」
「スタジオ……? そのようなものは知らぬが、お前は私の呼びかけに応じ、このセルティア王国へ召喚されたのだ。この国を救う、聖女としてな」
「聖女……?」
いずみは思わず繰り返した。そんなフレーズ、まるでラノベのようじゃないか。