あなたの愛に包まれて
千晃はつい最近退院したばかりだが、一年眠ったままだった体にはあちらこちらにまだ後遺症が残っていた。

やっと歩くことができるようになったが、支えがないとまだ全身の筋肉が回復はしておらず転倒することがある。

手先、指先も筋力が低下していることもあり、長時間の細かい作業もまだ難しい。

体力を回復させるために病院での入院生活では限界があり退院を許されている。

そんな千晃が力のお墓に二人で行きたいと言い出したことに匡祐はうれしくも困惑をした。



千晃をおんぶした匡祐が力の力のお墓の前に立った。
そっと千晃をおろす。
「大丈夫?」
「ありがとう」
千晃はゆっくりと力のお墓に近づく。
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