あなたの愛に包まれて
花を手向けようとしてしゃがむ千晃をすぐに匡祐が支える。
「ありがとう」
二人は寄り添いながら力のお墓に花を手向けた。
「力、待たせたな。ごめんな。」
匡祐が切ない表情になる。
「色とりどりの花。これは力さんみたいね?」
力が匡祐に笑いかける。
「そうだな。」
千晃がカバンから何かを取り出そうとする。
「手伝ってくれる?」
千晃の言葉に匡祐は千晃のカバンを支える。

取り出したのは色とりどりの折り紙と、和紙のセットだった。

「これ、必要でしょ」
「・・・あぁ。」
千晃が花の横にそっと置くと二人は手をあわせた。
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