25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
気が付くと、朝。飲みつけないビールなんか呑んで、ウダウダしているうちに、いつの間にか寝てしまったらしい。


ボンヤリする頭で、時計を見て、一瞬にして目が覚めた私は、慌ててシャワールームに飛び込み、化粧もそこそこに家を飛び出した。


今日も店は大盛況、バタバタと動き回ってる間は、何も考えなくていい。だけど、昼食や休憩の時間に、ふと我に返ると、おかしくなりそうになる。


6連続出勤の最終日で、身体はクタクタなのに、1人になりたくなくって、残業を買って出る。でも、そんな現実逃避にも限界があって、7時過ぎには、会社を後にした。


(私、何してるんだろう・・・。)


疲れがドッと身体を襲って来る。私は2人の不倫デートのお手伝いをする為に、6連勤なんて、させられちゃったの?


(隆司さん、あなたは自分はもう独身だからなんて、浮かれ気分なのかもしれないけど、渋谷さんは、れっきとした既婚者。これは間違いなく不倫だよ。わかってるの?)


またしても、怒りと悲しみがこみ上げてくる。もちろん、隆司さんに対してだけでなく、渋谷さんに対しても。


明日から連休、あんなに待ち遠しかったのに、やっと身体を休ませられると思ってたのに、私はまたビール買って、コンビニでお弁当買って、1人でヤケ酒にヤケ食いして。


このままなら、明日からも悶々と、1人で苦しんで、悩んで、怒って、悲しんで・・・なんで、私が、私だけが。冗談じゃない!


人をバカにするのも、いい加減にしてよ!


そう言って、隆司さんのところに怒鳴り込んで行きたい。でも、なぜか行けない。


(何か事情があったのかもしれない。だって、もう1回、彼氏彼女からやり直そうって隆司さんの方から、言ってくれたんだから・・・。)


そう自分に言い聞かせる、微かに残る冷静な自分。いや、冷静なんじゃない、きっと現実を知ることを拒む、いくじのない自分がいるから・・・。
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